兵庫県議会の任期に関する考察

兵庫県議会は、1995年1月の阪神淡路大震災を受け、その年の4月に執行予定であった県会議員選挙を震災特例により2ヶ月延長し、6月に執行されました。4年後の1999年には、選挙の執行は統一選に合わせたが、議員の任期に関しては6月のままです。これは、現在まで続き、神戸市議会、西宮市議会、芦屋市議会などでも同様です。
2015年の統一選では、県会と神戸市会は4月12日に、西宮・芦屋市議会は4月26日の執行でしたが、議員の任期としては6月10日までとなり、2ヶ月の空白期間となります。その間、新たに当選した議員に対しては、任期が始まっていないことからもちろん議員報酬や政務活動費などは支給されず、しかし地域としては「議員」としての扱いがされ、なかなかの苦労をしているようです。
では、4月に落選した議員や引退した議員はどうでしょうか。
この間、議員報酬や政務活動費はもちろん(兵庫県議会では、2014年の政務活動費問題を受けて、事後精算ですが、満額請求している議員もいるようです)、6月1日がボーナス支給の基準日ですので、6月に支給されるボーナスも貰えることになります。
選挙の前から、兵庫県議会では様々な議論もあったようですが、一足飛びには話が進まなかったようです。選挙前のパフォーマンスだ!という空気感を壊せなかったようです。
すでに特例を受けてから20年。選挙を移してから16年です。なぜこれほどまでに遅れたのかといえば、一つには議員年金の問題がありました。3期12年を経ないと受給権がないので、3期目ギリギリの人にとっては、ある意味で死活?問題でした。それも2011年(平成23年)に地方議員の年金が廃止されたことにより制約は無くなったのではないでしょうか。
こうした選挙の結果と任期の開始のズレが広がるほど、報酬や政務活動費、議員としての活動と言った問題が出てきますが、それ以外にも問題が出てきます。
今回、4月の選挙で当選を果たした議員が、飲酒運転による追突事故を起こし、辞職願を出し議員辞職をしました。ですが、これは新任期の前です。そうなると、旧任期の議員を辞職したまでで、新任期になれば議員として復活するということになります。そうならないためには、辞職願は旧任期と新任期の2通を出さなければなりません。ここで問題は、公職選挙法では、議員の身分を取得する前の辞職を想定していないということです。そうなると、新たな任期が始まって、そこで新議長が選出され、その後に辞職願が受理されると言うことにもなります。今回、この議員の選挙区は無投票でした。ですので、繰り上げ当選も起こらず、定数2の選挙区の補欠選挙は、2年後の県知事選挙に合わせてとなります。今までからも、こういった事例はあったかもしれませんが、選挙と任期の間が短いために、そういったことが露見するということはなかったかもしれません。
ここなどは、任期の問題もありますが、法的な問題としても考えておくべきでしょう。

さて、地方議会が解散する場合の例を考えてみましょう。
①リコールによる解散
不祥事が多い議会などでは、有権者の1/3の署名を集め、選挙管理委員会に請求し、住民投票の結果、過半数の同意があれば議会が解散。
②首長への不信任決議可決に伴い、首長が議会を解散
議会と首長の対立が抜き差しならない状況になり、議会側が首長の不信任決議を可決し、それを不服とする首長が議会を解散。
③自主解散
「地方公共団体の議会の解散に関する特例法」を根拠に、議会の議員数の3/4以上の出席で、その4/5以上の同意があれば解散。

都道府県議会の例では、1960年代の東京都議会と茨城県議会があり、直近では、2011年に東かがわ市議会が、市長選と市議選を統一すべしとの理由から、議会を解散した例があります。

東京都議会は、1965年に議長選と許認可に関する贈収賄で複数の議員が逮捕起訴される事態を受け、リコール運動が起こり、リコール請求されるに至りました。その間に突貫で自主解散の特例法を作り、それを根拠にリコールが告示された6/3に自主解散。それが現在まで続く統一選挙の2年前の選挙となります。
茨城県議会は、これも1966年12月に議長選を巡る収賄事件で自主解散。今日まで、統一選挙前の12月に執行されることとなっています。

自主解散であっても、解散の日から40日以内で選挙を行うこととなるので、仮に兵庫県議会で統一選挙前の最後の本会議で、「議会解散決議」を可決したならば、統一選挙に執行することが出来るでしょう。

自らの身を切る改革!とは聞こえが良いですが、それを颯爽と出来るかといえば、そこは魑魅魍魎たる議会ですから、一筋縄ではいきません。ですが、今こそその改革を行って欲しいと思います。政務活動費問題で世間を騒がせ、「兵庫県会議員です」と会合でいえば失笑された経験を持つ県会議員ならば、やっぱり兵庫はやりよったと言える取り組みを行って欲しいと切に願います。

  • 日付 : 2015/06/10
  • 記事 : 兵庫県議会の任期に関する考察