大阪市の住民投票の結果から

5/17に実施された大阪市の住民投票、正式には「大阪市における特別区の設置についての投票」が行われ、投票率66.82%投票総数1400429票で、賛成694844票、反対705585票で反対多数で否決されました。
世代別の投票行動などで、いわゆる高齢世代に反対が多かったこと(シルバーデモクラシーと呼ばれています)や大阪市内中心部と比較して周辺部の反対が多かったこと(南北格差とも言われています)などで、様々な話題となっています。
私も少しだけ、投票率と賛否の状況、そして高齢化率などを比較してみましたが、高齢化率の低いところで賛成の割合が高い傾向が見られます。それ以外にも新しく行政区となるところでは、新北区に入る現在の5つの区すべてが賛成です。それ以外にも傾向は見られるでしょうが、もう少し行政データなどを分析して、これだけではないところも今後読み取っていく必要があると思います。
さて、私の意見は、今の大阪府と大阪市の課題は、特別区を設置してもすべてが解決されるわけではなく、むしろ弊害の方が強く出ると思っていますので、反対でした。ですが、人口270万人の大阪市が基礎的自治体として十分に機能しているのかどうかという観点からすると、決してそうではないと思っている立場ですから、その意味でこの僅差の結果は尊重されるべきでしょう。そのことに対する閉塞感が市民の中にあるのも事実ですので。また、大都市制度のあり方は、今後も重要な地方政治上の論点になると思います。
今回の住民投票で問われたのは、大阪市に5つの特別区を設置することについてですが、人口が最少の新湾岸区でも34万人ですし、最大の新南区では70万人近い人口になります。70万人ですと政令市の静岡市並、34万人ですと滋賀県大津市並の行政区をどう見るかだと思いますが、私は少し大きすぎると思います。
どのくらいの規模の自治体が適正なのか、それは一概には言えないところですが、地方自治には団体自治と住民自治の観点がある中では、住民自治を今後強化していかないことには行政運営は立ち行かないことを考えると、特別区を設置と言うよりは、大都市のあり方を根本から問い直し、解体するぐらいの気構えで分割していくことが求められると思います。
そのことは、否決という決断をした大阪市民が今後、求められてくる課題でもあります。つまり、誰かがやってきて、課題をパパッと解決してくれて、すべてが順調な大阪市が生まれるという幻想を排除し、厳しいけれど自分たちで大阪市を作っていくんだという気構えが必要になるということです。
それでも、この住民投票というものを、間接民主制を補完する機能として、行政も議会も上手く活用できないものでしょうか。

  • 日付 : 2015/05/19
  • 記事 : 大阪市の住民投票の結果から